年金を少しでも増やす方法
ご覧いただきありがとうございます。
今回は、国民年金の受給額を満額にするには、どの程度の納付期間が必要か。
というお話です。
答えは480ヶ月分です。480ヶ月分というとまるまる40年です。
会社員や公務員、教員などは、給与から天引きされているので、65歳まで勤め上げたら問題なく満額受給になります。
一方自営業者等の第1号被保険者は、自ら保険料を納めなければならず、病気やケガなど何らかの事情で未納期間が発生した場合、その分年金受給額が減少します。
ここでは、
・第1号被保険者で将来受給する国民年金の額の減少する分を取り戻したい
・国民年金を満額受給したい
・国民年金満額以上の年金を確保したい
そのような方向けに、各種制度を説明したいと思います。
第1号被保険者に該当する方たち
国民年金のみを受給する方は第1号被保険者と呼ばれますが、
・個人事業主
・無職
・農業従事者
・フリーランス
など、一般的に企業をはじめとした組織に属していない方が対象です。
また、国民年金第2号被保険者の扶養に入っていた配偶者(同第3号被保険者)も、会社員であった夫(妻)が退職すると第1号被保険者となり、国民年金保険料を納めなくてはなりません。
第1号被保険者とは、簡単に言えば、「自分で年金保険料を納付しなければならない人」です。
受給額を少しでも増やす方法
480ヶ月というと、まるまる40年になります。国民年金受給額を満額にするためには、未納期間を把握することから始まります。
20か月分未納であれば、20ヶ月分納めなければなりません。まずは、ご自身の状況を把握することが大切です。年金納付状況を確認する方法は、以下の3通りです。
・最寄りの市役所等の年金を扱う部署か、年金事務所に問い合わせる。
・年金定期便で確認する
・ねんきんネット
未納期間分を取り戻す方法
次に、未納期間の分をカバーする方法です。
・追納
・付加年金
・国民年金基金
・任意加入保険者
※ここでは、65歳時点で受給することをテーマにしていますので、「繰下げ受給」は外しています。
では、一つずつ見ていきましょう。
・追納
追納については、2年2月前から現在までの未納の分について納付可能ですが、それ以前の分は未納のままになります。
・付加年金
付加年金とは、毎月の国民年金保険料に付加保険料の400円を追加して納付すると、納付した月数に200円をかけた金額が、年金として受給できます。
例えば、付加保険料を240か月納めていたとします。
240か月×200円=48,000円(月額4,000円)
この額が国民年金に上乗せされます。
付加保険料は、年金と一体になるので、繰上げ繰下げの受給額に連動しますし、国民年金が停止されると、付加年金も同じように停止されます。
なお、国民年金基金に加入している方は、付加年金には加入できません。
・国民年金基金
国民年金基金は、国民年金の他に老後の収入を確保したい方向けの制度で、iDecoと併用可能です。(併せて68,000円が限度額)
地域型と職能型の2種類あり、どちらか一方にのみ加入できます。
地域型は、個人事業主やフリーランスの方が、居住している自治体に申請すればよく、職能型は、所属している企業が加盟或いは組合があれば、企業を通して加入できます。
掛け金は一律ではなく、性別、加入時の年齢により違いがあります。
また、50歳未満の方は、加入時から次の誕生月の前月まで、掛け金の約6%が加算されます。誕生月に加入すると加算されませんのでご注意ください。
60歳から65歳未満の任意加入被保険者や、同じく任意加入被保険者で20歳から65歳未満で日本の国籍を持っている海外居住者も加入できます。
資格者は第1号被保険者(個人事業主、フリーランス、無職等)のみであり、会社員や公務員などの第2号被保険者、専業主婦の第3号被保険者は加入できません。
掛け金は、社会保険料控除として課税額所得額から控除されます。(所得税と住民税が軽減される。)
また、毎月掛け金を自由に増減できるので、余裕があるときは増やし、苦しいときは減らすなど柔軟に掛けることができます。ただし、自らの意思で脱退することはできません。
・国民年金任意加入制度
60歳までに年金受給資格を得ていない、或いは満額受給をできない人が増額を目的として自ら希望して国民年金に加入する制度です。
65歳まで加入するか、保険料納付期間が480ヶ月に達するかどちらか早い方で満了となります。
受給資格
・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
・老齢基礎年金を受給していない方
・60歳までの年金保険料納付月数が480ヶ月未満の方
・厚生年金被保険者ではない方
最後に
今回は、「65歳から年金をもらうとき、1円でも多く、または満額で受給したい」方向けに解説してきました。
過去に最大60ヶ月分未納期間がある方で、今は順調に毎月納付している方は、65歳まで頑張れば満額受給可能ですし、60ヶ月以上未納期間がある方は、国民年金は満額とはいかなくても、付加年金或いは国民年金基金で十分挽回可能です。
将来への年金不安を少しでも減らすために、ご自身の、或いはご家庭のお財布事情を考慮しながら、無理のない持続性のある運用を心掛けていきましょう。
※参考:国民年金基金HP 、国民年金任意加入制度