火災保険の重要性とメリット

2024年12月20日 2024年12月20日 H.Tachiki

火災保険は火災だけでなく、強風や豪雨など自然災害による建物の損害やカーポートの屋根の破損など、補償範囲は多岐にわたります。

しかし、そういった補償内容を知ってか知らずか、「補償内容はよう分からんけど、万が一火事で家が無くなったときのために入っとくか」とか、「家を購入したらローンとセットで加入するもの」との思い込みで「なんとなく」加入している方もいらっしゃるのでは？

ここでは、火災保険の必要性についてお話してみたいと思います。

火災保険の存在意義

火災保険は何のためにあるのでしょうか。保険ですから、契約者が補償範囲内での損害を被ったときに補償されるためにあるものです。何も起こらなければ、ただ決して安くない保険料を払っていくだけです。

火災保険の補償範囲の中で一番補償額が大きいのは建物でしょう。一般的に建物＝住居と捉えられますが、住居は私たちが日常生活を過ごす大切な場所です。その大切な場所を守る意味でも火災保険の加入は大切と考えます。

全焼ならともかく、例え半焼でもそのまま住み続けるのは不可能に近いと言わざるを得ません。日頃からご自身や家族の方が火の始末には敏感であっても、隣家から火が出た場合、過失なら隣家からの補償はありません。ご自身の保険で賄うしかないのです。

これは失火責任法という法律に明記されており、周囲の建物等からのもらい火で自身が居住している建物に燃え移っても、火災の原因が過失であれば火元の住人は補償しなくて良いことになっています。

つまり、もらい火の場合は、そのほとんどが自身の保険で補償しなければなりません。いくら自分が気を付けていても、自身の家は火事になる可能性がゼロになることは有り得ないということです。

建物以外であるならば、例え火事で焼失しても貯金等で取り返しがつく場合がありますが、建物だと高額であるが故になかなか難しいと思います。その難しい買い物を賄えるのが火災保険、と言えるでしょう。

何事にもメリットがあればその逆のデメリットがあります。火災保険も同様にメリット・デメリットがあります。
まずは、メリットから紹介いたします。

火災保険は自動車保険と違い、保証期間中であれば何度でも申請可能ですし、更新するときに保険料が大幅に上がることはありません。上がる場合は加入している保険会社が一律保険料を上げるのであって、申請回数に応じて個別に保険料を上げることはありません。

デメリットとしては、何度も申請可能ではありますが、一度申請した箇所に対して保険会社が保険金を払ったにも関わらず、補修等せずに再度申請した場合は認められません。

当然ではありますが、保険会社が保険金を支払うのは、元の状態にしてもらうための補修代として払っているわけです。前回と同じ箇所が被害を受けたからと言って、補修した形跡が見られていない箇所であれば認められません。

加入する理由は、万が一の損害が出たときの費用を補填するためです。損害が起こったときにそれを以前の状態に戻すためには、費用がかかります。貯金等でカバーできるのであれば、わざわざ保険料を払ってまで火災保険に入る必要はありません。

しかし、自宅購入の際、住宅ローンを組むとなると話は別です。多くの銀行は、住宅ローンを組む場合の条件として火災保険加入を設けているからです。

言い換えると、複数購入できるくらいの資産を持っているか、自宅を一括で買える財力がある方なら火災保険に加入しなくても良いでしょう。

他にも、仮に焼失しても他に住む家がある。中古の低額物件だったので消滅しても未練はない。など、例外ともとれる理由があれば、加入しないという選択肢も検討しても良いかもしれません。

火災保険は、火事だけでなく水害が起こったときにも補償されます。床上浸水や土砂崩れ、川の氾濫により家が流される、など火事以外の甚大な被害が起きた際にも補償されます。

繰り返しになりますが、これらの被害が起きても容易に再建できる資産をお持ちの方以外は、火災保険に加入しておくことをおすすめいたします。保険はあくまで保険ですが、備えあれば憂いなし。です。

「万が一」に備えた保険に加入することで、日々の生活に安心感をもたらすのではないかと思います。保険料は決して安くはありませんが。

しかし、保険もある意味資産を守るためのものです。保険に加入しておくことも一種の資産運用でないかと考えます。ご自身の資産を守るためにも、自身のニーズに合った保険に加入しましょう。