火災保険事故の種類と対応策
火災保険において、契約事項に関する被害が発生したことを「事故」と表現し、被害発生日を「事故日」、被害発生理由を「事故原因」と言いますが、これらの表現と使って調査報告書そ作成します。
ここでは、火災保険に適用される「事故」にはどのようなものがあるのか、或いはどのような種類があるのかを見て行きたいと思います。
事故の種類
火災保険事故の種類
火災保険の事故には、強風や豪雨、落雷など自然災害が原因で被害が発生したものや、人為的過失によるものなどがあります。
火災、落雷、破裂、爆発
文字通り、火事や落雷による家屋等の破損を言い、破裂や爆発は気体または蒸気の急激な膨張を伴うものを指します。
風災、雹災、雪災
風災は強風が原因での破損等を言い、雪災は雪の重みによるものや、雪崩に伴う破損等を指します。
例:雪の重みで家または雨樋が壊れた。
水濡れ
水濡れとは、水道管の破裂・排水パイプの目詰まりなど、給排水施設に生じた事故、または他の部屋等で生じた事故によるものを指します。
例:上の階の排水パイプが詰まったことにいり、室内が水浸しになった。
火災による消火活動で、壁や家財等が水濡れになった。
盗難
強盗、窃盗またはこれらの未遂をいい、保険の対象に発生した破損等も含みます。例:泥棒が入り、物を盗まれた上、壁や窓、テレビを壊された。
水災
台風、暴風雨、豪雨等による洪水、高潮、土砂崩れ、落石等によって、次のいずれかに損害が発生した場合を指します。
- 建物評価額の30%以上の損害が発生した場合
- 床上浸水、または地面から45㎝を超えた浸水で損害が発生
破損、破汚損
不測且つ、突発的な事故をいいます。
例:車が自宅に飛び込み、外壁や建物が壊れた。
保険の対象
火災保険の適用範囲は、火災のほか、建物やテレビやテーブルなどの家財道具やゲーム機など多種多彩です。どのようなものが保険の対象となるのか見て行きましょう。
建物
- 家や物置など屋根、柱、壁を有する一般的な建物
- 電気、ガス、冷暖房設備(いわゆるエアコン)
- 建物の付属設備(浴槽、流し台、調理台等)
- 門、フェンス、カーポート
- 畳、建具、その他これらに類する物
家財
- テレビ、冷蔵庫などの家電製品
- テーブル、ソファ、机等
明記物件
明記物件とは、保険証券に記載している物品で、1組または1個の価額が30万円を超える貴金属や美術品等のことを指します。
盗難品
- 通貨、小切手、印紙、切手、乗車券等
- 預金通帳、キャッシュカード等(現金は対象外)
保険の対象とならないもの
- 自動車
- バイク
- 原動機付自転車
- 生物
- プログラム、データ等
火災保険適用事例
ここでは、実際に火災保険の申請が可能な被害箇所の一例をご覧にいれましょう。
赤丸で囲んである2か所は、欠けている部分と浮いている部分です。
これも火災保険申請の対象となりますが、「経年劣化」と言われる可能性があります。
雨樋の連結部分の損傷です。
壁の損傷なども対象となります。
クロスの壁紙が剥がれても、原因が子どものいたずらや家具の移動の際にできたものなら申請の対象となります。
ただし、事故日から3年以内でないと無効になります。
ガラスにひび割れ等もクロス壁の理由と同じであれば、申請可能です。
まとめ
損害箇所の周囲が汚れていたり、コケが生えていたりするなど、明らかに年数が経っていると思われるものは、「経年劣化」として扱われ、保険金請求の対象外とされてしまいます。
他に、軽微な損害や機能に影響を及ぼさないと思われる場合も対象外とされる可能性があります。
保険金を支払いするのが適当かどうかは、契約している保険会社が決めることですが、申請する側は理路整然とした書類作成をしていれば、不認定となる確率は低いです。
また、火災であっても、原因が地震や噴火によるものであれば火災保険の対象にならないなど、自然災害でも一部対象外となるものがあります。この場合は地震保険に加入しておけば補償されます。噴火でも同様です。
噴火の心配はないとしても、地震はいつどこで発生するか分かりません。火災保険に加入する際は、地震保険もセットで加入することをおすすめいたします。、