知られざる火災保険の重要ポイント
火災保険はその名の通り、自宅等が火災により損害を被る場合に補償される保険ですが、補償されるのは、火災が原因だけではありません。強風や豪雨などの自然災害や人為的過失で発生した被害にも対応できます。
しかし、保険といえども補償範囲には限りがあります。それは、「経年劣化」「事故日と原因が特定されている」「機能性」の3つです。他のも、時効が3年とされており、これは各保険会社共通となっています。
火災保険のお話は、これだけでは終わりません。そこで、意外と知られていない火災保険について、膨大?なページを使って詳しくお話していきたいと思います。
火災保険制度
火災保険とは、住宅や店舗、事務所等の建物や家財、商品、備品等などの動産が、火災や風災、水災などの自然災害によって損害を受けたとき、その損害を補償するものです。
また、子どもが遊んでいるときに、誤っておもちゃを投げたことで窓が割れた、など人為的ミスによる破損等でも補償されます。(故意によるものを除く)
火災保険はその名のとおり火災が発生した場合に補償されるものですが、地震や噴火、津波等を原因とする火災や倒壊は、火災保険では補償されません。
また、隣家の火がご自身の家に飛び火して燃えてしまった場合には、火事の原因が放火など故意によるものや重過失以外であれば、自身の火災保険で補償しなくてはなりません。
火災保険事故の種類
損害保険と同じように、火災保険でも被害に遭った出来事を「事故」、被害に遭ったとされる日を「事故日」と表現します。
ここでは、火災保険における事故の種類は次のとおりです。
- 火災、落雷、破裂、爆発
- 風災、雹災、雪災
- 水濡れ
- 盗難
- 水災
- 破損、破汚損
それでは、それぞれの事故の内容を見て行きましょう。
火災保険事故の種類
火災、落雷、破裂、爆発
文字通り、火事や落雷による家屋等の破損を言い、破裂や爆発は気体または蒸気の急激な膨張を伴うものを指します。
風災、雹災、雪災
風災は強風が原因での破損等を言い、雪災は雪の重みによるものや、雪崩に伴う破損等を指します。
例:雪の重みで家または雨樋が壊れた。
強風で屋根の瓦が飛んでしまった
強風でカーポートが傾いた、傷ついた
アンテナや太陽光パネルが、大雪が原因で破損した。
水濡れ
水濡れとは、水道管の破裂・排水パイプの目詰まりなど、給排水施設に生じた事故、または、他の部屋等で生じた事故によるものを指します。
例:上の階の排水パイプが詰まったことにいり、室内が水浸しになった。
火災による消火活動で、壁や家財等が水濡れになった。
強風で浮いた瓦から雨が染み込み、雨漏りがするようになった
盗難
強盗、窃盗またはこれらの未遂をいい、保険の対象に発生した破損等も含みます。例:泥棒が入り、物を盗まれた上、壁や窓、テレビを壊された。
水災
台風、暴風雨、豪雨等による洪水、高潮、土砂崩れ、落石等によって、次のいずれかに損害が発生した場合を指します。
ア 建物評価額の30%以上の損害が発生した場合
イ 床上浸水、または地面から45㎝を超えた浸水で損害が発生
破損、破汚損
不測且つ、突発的な事故をいいます。
例:車が自宅に飛び込み、外壁や建物が壊れた。
子供が投げたおもちゃによってできた窓ガラスのヒビが入った。
家具を移動したときに壁に穴を開けた。
以上6項目が火災保険における事故の種類となります。
火災は火災保険本来の趣旨にあった事故ですが、隣家等から燃え移った場合は、契約者本人の火災保険で補償しなければなりません。つまり、隣家の火災が原因であっても、隣家の保険で補償してくれないということです。
また、床上浸水の場合は、地面から45cm以上でしか補償されません。
現代の一般的な住居は、地面から建物内の1階部分の床までを高く造っているところが少なくないかも知れませんが、45㎝以上浸水したら補償されるとしても、精神的に相当なダメージを受けることは想像に難くありません。
つまり、多くのご家庭において、床下浸水だと火災保険の補償は受けられない可能性が高いと言えます。
このように、火災保険では補償対象の事故であっても、基準外だと補償されないケースも出てきます。今からでも加入している保険会社の定款を見返しておくことをおすすめします。
保険の対象となるもの
火災保険の対象となるものとは、自然災害等で被害にあった場所や物のことを指します。言い換えれば火災保険適用範囲とも言えます。建物の付随する物のほとんどは対象となりますが、一部除外される物もあります。
建物
- 家や物置など屋根、柱、壁を有する一般的な建物
- 電気、ガス、冷暖房設備(いわゆるエアコン)
- 建物の付属設備(浴槽、流し台、調理台等)
- 門、フェンス、カーポート
- 畳、建具、その他これらに類する物
家財
- テレビ、冷蔵庫などの家電製品
- テーブル、ソファ、机等
明記物件
- 1組または1個の価額が30万円を超える貴金属や美術品等で、保険証券に記載しているもの
盗難品
- 通貨、小切手、印紙、切手、乗車券等
- 預金通帳、キャッシュカード等(現金は対象外)
保険の対象とならないもの
- 自動車
- バイク(125㏄以上)
- 原動機付自転車
- 生物
- プログラム、データ等
最後に
火災保険は、補償範囲が意外と広いことがお分かりいただけたかと思います。補償範囲を知っていれば、対象物が損害に遭ったとき、保険申請することにより保険金で修理代をカバーでき、経済的な損失を避けることができます。
しかし、申請するには期限があることと、事故原因が明確なことなど条件があるので注意が必要です。
決して安くない保険料を払っているのですから、保険の適用範囲で利用できるものは利用する。そういう精神で行きたいものです。